JAM音楽教室

  • 2019/08/13
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歌が上手くなるボイトレ練習方法⑤ブレスの方法を解説

歌っているときにどこで息継ぎすればいいかわからなくなったことはありませんか?

息継ぎが難しい曲以外はどこで息継ぎしても変わらないように感じる人もいるかもしれませんが、歌の上手な人は音楽の流れを遮らずにブレスをしています。

ブレスは音楽の一部であり、呼吸の一部です。ブレスなしに呼吸は成り立ちません。

今回は、主に「ブレス」をどうやって行うかについて説明していきます。テクニックに関する内容になりますが、これらは全て「音楽を感じながら」行う必要があります。

ブレスの方法をマスターすれば、カラオケでも完成度の高い曲を歌えるようになるだけでなく、他の楽器に応用させることもできますよ。

ボイストレーニング基本の息の吸い方

まずは、息を吸うことについて説明します。息を吸う方法の詳細は「呼吸法」の記事で述べているので、そちらを参照してください。

歌が上手くなるボイトレ練習方法④歌の呼吸法を解説

今回は重要な部分のみ説明します。大事なポイントは3つです。

・「おなかに息を吸い込む」イメージで
・胸郭を少し広げながら、息を吸い込む
・横隔膜が押し下げられていることを確認する


これらは、歌い始めてからずっと安定して息を流し続けるための準備にあたります。

[練習1]
以下の内容はほぼ「呼吸法」の[練習4]と同じですが、確認する内容が少し変わります。

①足を肩幅ぐらいに広げて立ったまま、前述の方法で息をゆっくりと大きく吸えるだけ吸ってください。
②以下の方法を意識して少しずつ息を吐いていきます。
・上の歯と下の歯をくっつけて(噛んだ状態)、歯と歯の間から息を少しずつ出してみてください。
・このとき、横隔膜を張った状態を保ちます。胸郭を徐々に外に広げていきしょう。

「スー――」という音が一定になるように意識しましょう。

これを長く続けられれば、最初の息の吸い方が正しかったことになります。逆に、息が続かない場合には最初の息の吸い方が違っていたことになります。

フレーズに合わせて息を吸ってみよう

呼吸はフレーズそのものです。つまり、フレーズは、歌いだす直前に息を吸うところから始まっているのです。

最初に息を吸うところから詳しくみていきましょう。

フレーズの長さに合ったブレス

まずは、次に歌うフレーズを一息で歌いきるのに必要十分な量の息を吸っておきます。フレーズが長すぎて途中でブレスする場合について後ほど説明します。

「必要十分な」としたのは、多く吸いすぎても良くないからです。

吸った息は一つのフレーズでほぼ使い切ることが原則です。肺に空気がたくさん残っていると、次のフレーズのためのブレスがうまくできません。

[練習2]
好きな曲で良いので、なるべく簡単な曲で「次のフレーズを歌いきるのにちょうど良い量の息を吸ってから、そのフレーズを歌いきる」ことを行ってみましょう。

最初は、フレーズとフレーズの間に十分な時間をあけて構いません。ちゃんと準備ができてから歌い始めることを意識しましょう。

慣れてきたら、フレーズとフレーズの間のブレスの時間を実際の曲の通りにしてみてください。ブレスの時間が短すぎる場合は、前のフレーズを少し早めに終わらせてしまっても大丈夫です。

フレーズの緩急に合ったブレス

息の量をフレーズの長さに合わせることができるようになったら、次はブレスの緩急を次に歌うフレーズの緩急に合わせるようにします。

同じ量の息を吸い込む場合でも、「ゆっくり、時間をかけて」吸い込むことも「速く、一気に」吸い込むこともどちらもできますよね。そこで、以下のことを意識してみましょう。

・ゆったりしたフレーズを歌いだす直前のブレスは「ゆっくり、時間をかけて」
・速いフレーズを歌う直前のブレスは「速く、一気に」

このようにブレスをすると、フレーズが歌いやすくなります。

自分の好きな歌の中からゆったりした曲と速い曲を選び、実際にブレスを行いながら歌ってみてください。

歌いだしの音の高さを準備する

「基本の息の吸い方」で説明したように、息を吸うときに胸郭を広げながら、横隔膜を押し下げることで体を歌う体勢に準備します。このときに、体の張り具合や喉の奥の開け方などを「歌いだしの音の高さ」にしておきます。歌い出しでどこに息を当てるのか、も意識しておきましょう。

特に、高めの音域から歌い出すときはこの準備が必須です。

具体的にどの高さでどういう準備をすれば良いかについては、「低い音の出し方」「高い音の出し方」「呼吸法」の記事を参考にして下さい。

歌が上手くなるボイトレ練習方法②喉を傷めない高い音域の発声方法を解説

歌が上手くなるボイトレ練習方法③魅力的な低い声の出し方のコツを紹介

歌いだしの母音を準備する

「歌い出しの音の高さ」を準備できるようになったら、次は「歌い出しの母音」も準備できるようになるといいですね。

息を吸いながら、口の形と喉の奥の開け方、舌根の位置などを「歌い出しの母音」に合わせた状態にします。「母音によって声の出し方が違う?発声方法を解説」の記事で詳しく解説しているので、そちらを参照してください。

歌が上手くなるボイトレ練習方法①母音ごとの発声方法を解説

「オ」「ウ」などの深い母音の場合は、息を吸い始める時点で形を作ってしまった方が良いかもしれません。

フレーズの途中でブレスする場合(カンニングブレス)

できれば一つのフレーズは一呼吸で歌いたいですが、フレーズが長いなどの理由から、どうしてもフレーズの途中でブレスをしなければならない場合があります。その場合は、フレーズを壊さないように、目立たせずにこっそりと少しだけ息を吸います。

これを、「カンニングブレス」と言います。

カンニングブレスのやり方

息を少し吸うこと以外は一続きで歌えば、フレーズを壊さずにブレスができます。

その方法は「横隔膜と背筋の力を抜かない」ことです。息を吸うときに張っている横隔膜や背筋などを緩めてしまいたくなりますが、緩まないように張り続けてください。

そこで注意が必要なのが、腹筋だけは、息を吸うために少し動くということです。腹筋が肺というポンプのトリガーになっているためです。

目立たないようにブレスするには、息を積極的に吸いこもうとしないことが大切です。

カンニングブレスは、息がもたないから行うもの。そのため、ブレスが必要なところでは、肺の中の空気はかなり少なくなっていて肺というポンプはしぼんでいる状態です。しぼんでいるポンプを少し広げたら自然に空気が入ってくる、という感じで、自然に息が肺に入れば大丈夫です。

フレーズのどこでカンニングブレスを行うか

「なるべく目立たないように」「フレーズを壊さないように」カンニングブレスを行うには、どの箇所で行うかも重要です。

息が続かなくなって苦しくなってからブレスすると、ブレスが目立ってしまったり、フレーズが切りたくないところで切れてしまったりして、せっかく流れているフレーズを止めてしまいます。

では、どうするかというと、息が続かなくなる少し前に、切ってもあまり目立たない箇所でカンニングブレスをしておけば良いのです。「切ってもあまり目立たない箇所」とは、以下のような箇所です。

・言葉の切れ目
・歌うのが楽な低めの音域
・音程があまり飛ばない箇所(カンニングブレスの直後がオクターブ上の音など、急に変わると歌えません)

どの曲ではどの箇所でカンニングブレスを行いやすいか?については、人によって若干違うこともあります。実際に自分が練習する曲でカンニングブレスが必要な場合には、何箇所か試してみて、一番目立たずフレーズを壊さずにできる箇所を選んでください。

また、複数の歌い手が同じ旋律を同時に歌う場合には、カンニングブレスを行う箇所をそれぞれずらすのが一般的です。そうすることで、「誰も声を出していない瞬間」をなくして、繋がっているいるように聴かせることができるからです。

ボイストレーニングまとめ

ブレスは、音楽の一部です。ただ息を吸い込めば良いのではなく、息を吸いながら次に歌うフレーズのための準備をすることを忘れないようにしましょう。

「準備」とは、具体的には以下の2つです。

・安定して息を流し続けるために、胸郭や横隔膜を準備しておく
・次に歌うフレーズの長さ、緩急、歌い出しの音の高さや母音などを準備しておく

フレーズの途中でブレスが必要な場合は、カンニングブレスをします。カンニングブレスのコツは、「フレーズを止めないように、歌う体勢を維持したまま、少しだけ息を吸う」ということです。なるべく目立たないようにブレスするために、どの箇所でブレスするかをよく考えましょう。

これらは全て「常に音楽を感じながら」行ってください。

実は、今回紹介したブレスの考え方は、歌のみでなくピアノやギター、管楽器や弦楽器など、全ての楽器に共通です。息を吸わない楽器でも、「ブレス」という概念は存在します。ブレスのない音楽は存在しない、と言って良いでしょう。歌では実際に息を吸うことでブレスの感覚が分かりやすいため、「全ての楽器の演奏者は、歌を練習した方が良い」と言っている音楽家も少なくありません。

良いブレスのやり方を習得すれば、歌のレベルがアップするだけでなく、音楽そのものへの感覚も磨かれるのです。

最初は意識するのが難しいかもしれませんが、頑張ってマスターしましょう。

今すぐボイトレを習おう

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