JAM音楽教室

  • 2019/08/08
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歌が上手くなるボイトレ練習方法②喉を傷めない高い音域の発声方法を解説

みなさん憧れの歌手はいますか?高音をきれいに出せるアーティストに憧れている人も多いのではないでしょうか。

しかし、高い声は喉への負担が大きいです。無理な発声で高い声を出し続けたら喉を傷めてしまいます。

高い声の出し方は何通りもあります。実際に歌っているプロの歌手の方たちの発声も、人それぞれ違っているのです。そして、その歌手たちの中には30代や40代になった時に声がかすれてしまう人も多いですが、中には60歳になっても伸びやかで張りのある高い声で、若い頃よりも円熟した歌唱力で歌い続けている人もいます。

高い音域の発声方法をマスターすれば、年齢に関係なくカラオケでもキーの高い曲を歌えるようになりますよ。

今回は「喉に負担をかけない」ことを大前提に、高い声の出し方を解説します。

クラシック声楽の発声と、J-POPなどの発声

喉に負担をかけない発声のテクニックは、クラシック声楽の発声がベースになります。

ここでよく言われるのが「クラシック声楽とJ-POPは求められる音色が違うから、発声は違うはずなのでは?」ということです。特に、高い音域ほど音色の違いが顕著になりますよね。「J-POPをオペラみたいな声で歌ったら違和感がある」などという意見もよく聞きます。

確かにその通りです。クラシック声楽の発声とJ-POPなどの発声は全く同じではありません。

でも、「喉を締めていない、伸びと張りの良い響く声」「喉に負担をかけず、年をとっても歌い続けられる発声」を前提にした場合、クラシック声楽の発声とJ-POPなどの発声には技術的に共通している部分が多いのです。

「クラシック声楽の発声とJ-POPの発声は、どこが同じでどこが違うのか」を先に述べておきます。

■体の使い方と、声の当て方は同じ
■声の当たった所だけで歌えば、J-POPでも使えるまっすぐな声になる(クラシック声楽は、当たった声をさらに頭全体に思いっきり響かせます)

これだけを見るとよく分からないと思いますが、安心してください。次章以降で詳しく解説していきますね。

「高い音」って、どのぐらいの音域?

J-POPの場合、男性と女性で話す声を基準とした音域がかなり違っています。

女性は話す声の音域を中心に、それほど高くない音域で歌います。歌に出てくるほとんどの音が話す声から1オクターブ以内に収まります。それより高い音が出てくることもありますが、出てきたとしても1曲の中でほんの少しです。

それに対して、男性の歌では話す声よりも1オクターブ以上高い音域まで普通に出てくるので、当然「高い」と感じる音域も男性と女性で変わってきます。

以下で「声区」という発声技術で用いる概念を元にして詳しく解説していきます。

「声区」について

歌う声には、音域でざっくり分けて3つの「声区」があります。

頭声区(ヘッドヴォイス):高音域。頭声(頭に響かせる声)が中心になる。
中声区(ミドルヴォイス):中音域。頭声と胸声が混ざる。
胸声区(チェストヴォイス):低音域。胸声(胸に響かせる声)が中心になる。

声区の変わり目の音程を「換声点」(ヴォイスチェンジ)と呼びます。

これらの声区は「連続的」です。
歌で音程が変わっていくときに聴いている人には音色が変わっていないように聴こえるため、歌い手の方では声区を意識する必要がありますが、「換声点」はシームレスになります。

中声区と頭声区の換声点は、男性、女性ともに、地声で楽に出せる「ミ」「ファ」の1オクターブ上の「ミ」又は「ファ」あたりです。

おおよそですが、男性の70%の人は「ミ」、一部の高い声の人が「ファ」が換声点になります。女性の80%は「ファ」が換声点です。一部の低めの声の人が「ミ」になります。男性、女性ともに、極まれに「ミ♭」の、かなり低い声の人もいます。

換声点が半音違うと、歌いやすい音域が3音ぐらい変わってきます。不思議ですね。

J-POPの発声における「高い音域」とは?

女性の場合、頭声区の音域の声を喉に負担をかけずに出そうとしたら、どうしても裏声になってしまいます。

そのため、クラシック以外のジャンルでは、女性の歌はほとんど「換声点」より低い音域のみで歌えるように作られています。特にJ-POPの女性の歌では、「頭声区」の音域は1曲の中で全く出てこないか、出てきたとしても1回か2回程度であることが普通です。よって、J-POPの場合、女性は換声点より少し低い音域が「高い音域」になります。

男性の場合は、頭声区の音域でも胸の声が少し混ざった発声になります。オペラ歌手などクラシック系のベルカントの歌手でも、女性より男性の方が少し地声に近い感じがしませんか?

男性の場合、換声点を意識して頭声を混ぜた発声を行っても、J-POPに適したまっすぐな声を出すことができます。そのため、「頭声区」の音域をJ-POPで使うことができます。男性の「高い音域」は、「頭声区」の音域と考えて良いでしょう。
ただし、その場合にも、換声点に近い中声区の発声は高い声につなげるために非常に大切です。

中声区から頭声区へのボイストレーニング

男性はもちろんのこと、頭声区をほとんど使わない女性でも、発声技術は頭声区まで歌えるように身に付けておいた方が良いです。

頭声区まで歌える技術を身に付けておくとは、イコール、頭声区の少し手前の音域、「シ♭」「シ」「ド」「ド♯(レ♭)」「レ」「レ♯(ミ♭)」「ミ」あたり(つまり女性にとってJ-POPでは「高い声」とされる音域)を無理なくよく通る声で歌える技術を身に着けること、です。

中音域の「シ♭」「シ」あたりの音から、少しずつ頭声を混ぜていってください。換声点が「ミ」の人は「シ♭」あたりから、換声点が「ファ」の人は「シ」あたりから、と考えましょう。実際にはもっと下の音から少し頭声が混ざるのですが、「シ♭」「シ」あたりから「頭声区への橋渡しの音域」として明確な意識が必要になります。

以下に、その具体的な方法を述べます。

息をあてる場所を、だんだん上に

実際に息が届く場所ではなく、息の角度を調節するために「狙う場所」を意識しましょう。

「シ♭」「シ」あたりでは、息は目と目の間あたりを狙って出します。

音が上がるにつれてだんだんん上にずらしていきます。換声点で頭のてっぺんを狙うことになります。

口と喉の奥をだんだん開けていく

音が高くなっていくにつれ、口は少しずつ大きくあけていくようにします。

どの音程でどのぐらい口をあけるとちょうど良いかは、かなり人によります。自分で、「シ♭」「シ」でのちょうど良い開け具合と、換声点でのちょうど良い開け具合をみつけて下さい。口に指を入れて確認するとわかりやすいでしょう。

そして、口の外側だけでなく、喉の奥も一緒に開けていきます。軟口蓋を上げていくと、喉の奥が開きます。

息の流し方は「量を少なく、スピードを速く」

音が高くなるにつれて、息は「量を少なく、スピードを速く」していきます。

大きい声を出そうとして、必要以上に息を多く流さないようにしましょう。喉に負担がかかるだけで響きは強くなりません。

最初は、声量をあげることよりも「ぴんと張った音色」になるように心がけると良いです。

体の使い方は「胸筋と背筋の力をだんだん強く」

音が高くなるにつれて、胸筋と背筋を下へ向かって引っ張ります。
「どこまで高い声を出せるか」は、胸筋と背筋の力にかかっていると言っても良いでしょう。

胸筋を張ることで、芯と色のある声になり、背筋を張ることで、頭の響きを作ります。

J-POPらしい発声にするには?

息をあてた場所で響きをキープして、まっすぐに発声してみましょう。この発声が基本になります。

これを、表現の必要性に応じて少し地声に近くしても構いません。ただし、地声に近い発声は「喉に負担をかけている」ということを忘れないでください。

喉に負担がかかる発声は、必要最小限だけ行う

ある1つの曲を練習するとき、喉への負担が少なく、かつ、上手に歌えるようになる方法を紹介します。

1.最初は、喉に負担のかからない歌い方でほぼ完璧に歌えるように練習する
この段階では、「一つ一つの音がきちんと発声されていること」「音程が正しいこと」「言葉をはっきりと発音できていること」など、技術的なことを意識します。あえて、表現云々は完全に忘れてください。クラシックのような歌い方になってしまって構いません。テンポの速い曲でも、ゆっくりと、技術的にちゃんと歌える速さで練習しましょう。

2.無理のない発声で歌えるようになったら、表現を考えた練習を必要最小限のみ行う

3.練習の終わりに、喉に負担をかけない発声を思い出すために、ゆーっくりと無理のない発声で歌う
スポーツでいう、クールダウンや整理体操のようなものだと思ってください。

喉に負担のかからない発声技術をキープする

常に「喉に負担をかけない発声方法」を発声技術のベースにしておくと良いです。
地声に近い声でたくさん歌った後は、まず喉を休ませてから、基本の発声練習を無理なくゆっくり丁寧に行ってください。喉に負担をかけてしまうという意味での悪い癖を忘れるようにしましょう。 

ボイストレーニングまとめ

喉に負担をかけず、中音域と音色をあまり変えずに高い音を響かせるためには、「中声区から頭声区にかけて、少しずつ頭の声を混ぜていく」技術がとても重要です。

具体的な方法は、音が高くなるにしたがって
■息をあてる場所をだんだん上にずらしていく
■口と喉の奥をだんだんあけていく
■息のスピードを速く、量は少なくしていく
■胸筋と背筋を張る力を強めていく
です。

これらの技術はクラシック声楽がベースになっていますが、「声が当たったところだけで響きをキープして、まっすぐに発声する」ことで、J-POPでも使える発声になります。

喉に負担をかけない方法をマスターして、高音を伸びやかに出せるように頑張りましょう!

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