歌が上手くなるボイトレ練習方法②喉を痛めない高い音域の発声方法を解説
高音をきれいに出せるアーティストに憧れている人は多いのではないでしょうか。
しかし、高い声は喉への負担が大きいものです。無理な発声で高い声を出し続けたら喉を痛めてしまいます。
高い声の出し方は何通りもあります。実際に歌っているプロの歌手の方たちの発声も、人それぞれ違っているのです。
そして、その歌手たちの中には30代や40代になった時に声がかすれてしまう人も多いですが、中には60歳になっても伸びやかで張りのある高い声で歌い続けている人もいます。
その違いは何なのでしょうか。
今回は「喉に負担をかけない」ことを大前提に、高い声の出し方を解説します。
正しい発声方法をマスターすれば、年齢に関係なくカラオケでもキーの高い曲を歌えるようになりますよ。
「高い音」ってどれくらい?
J-POPの場合、男性と女性で話す声を基準とした音域がかなり違っています。
女性は話す声の音域を中心に、それほど高くない音域で歌います。歌に出てくるほとんどの音が話す声から1オクターブ以内に収まります。
それに対して、男性の歌では話す声よりも1オクターブ以上高い音域まで普通に出てくるので、当然「高い」と感じる音域も男性と女性で変わってきます。
以下で「声区」という概念を元にして詳しく解説していきます。
「声区」について
歌う声には、音域でざっくり分けて3つの「声区」があります。
頭声区(ヘッドヴォイス):高音域。頭声(頭に響かせる声)が中心になる。
中声区(ミドルヴォイス):中音域。頭声と胸声が混ざる。
胸声区(チェストヴォイス):低音域。胸声(胸に響かせる声)が中心になる。
声区の変わり目の音程を「換声点」(ヴォイスチェンジ)と呼びます。
中声区と頭声区の換声点は、男性、女性ともに、地声で楽に出せる「ミ」「ファ」の1オクターブ上の「ミ」又は「ファ」あたりです。
おおよそですが、男性の70%の人は「ミ」、一部の高い声の人が「ファ」が換声点になります。
女性の80%は「ファ」が換声点です。一部の低めの声の人が「ミ」になります。
ちなみに、換声点が半音違うと歌いやすい音域が3音ぐらい変わってくるのです。不思議ですよね。
「高い音域」とは?
女性の場合、頭声区の音域の声を喉に負担をかけずに出そうとしたら、どうしても裏声になってしまいます。
そのため、クラシック以外のジャンルでは、女性の歌はほとんど「換声点」より低い音域のみで歌えるように作られています。
特にJ-POPの女性の歌では、「頭声区」の音域は1曲の中で全く出てこないか、出てきたとしても1回か2回程度であることが普通です。
そのため、J-POPの場合、女性は換声点より少し低い音域が「高い音域」になります。
男性の場合は、頭声区の音域でも胸の声が少し混ざった発声になります。
男性は換声点を意識して頭声を混ぜた発声を行っても、地声に近いまっすぐな声を出すことができます。
そのため、女性の場合と違って「頭声区」の音域をJ-POPで使うことができます。男性の「高い音域」は、「頭声区」の音域と考えて良いでしょう。
中声区から頭声区へのボイストレーニング
男性はもちろんのこと、頭声区をほとんど使わない女性でも、発声技術は頭声区まで歌えるように身に付けておいた方が良いです。
頭声区まで歌える技術を身に付けておくことは、イコール、頭声区の少し手前の音域である「シ♭」「シ」「ド」「ド♯(レ♭)」「レ」「レ♯(ミ♭)」「ミ」あたり(女性にとってJ-POPでは「高い声」とされる音域)を無理なくよく通る声で歌える技術を身に着けることになります。
そのためには、中音域の「シ♭」「シ」あたりの音から、少しずつ頭声を混ぜていくことがコツです。
換声点が「ミ」の人は「シ♭」あたりから、換声点が「ファ」の人は「シ」あたりから、と考えましょう。実際にはもっと下の音から少し頭声が混ざるのですが、「シ♭」「シ」あたりから「頭声区への橋渡しの音域」として明確な意識が必要になります。
それでは実際にどうすればその発声技術が身につくのでしょうか。
詳しく説明していきます。
息をあてる場所を、だんだん上に
実際に息が届く場所ではなく、息の角度を調節するために「狙う場所」を意識しましょう。
「シ♭」「シ」あたりでは、息は目と目の間あたりを狙って出します。
音が上がるにつれてだんだんん上にずらしていきます。換声点で頭のてっぺんを狙うことになります。
よく高音の発声方法で「上から糸で引っ張られているように」と言われることがありますが、それと同じですね。
口と喉の奥をだんだん開けていく
音が高くなっていくにつれて口は少しずつ大きく開けていきます。
どの音程でどのぐらい口をあけると良いかは人によります。
自分で「シ♭」「シ」でのちょうど良い開け具合と、換声点でのちょうど良い開け具合を探してみましょう。
このとき、口の外側だけでなく喉の奥も一緒に開けていきます。喉の手前にある軟口蓋という場所を上げてみると喉の奥が開きます。
息の流し方は「量を少なく、スピードを速く」
音が高くなるにつれて、息は「量を少なく、スピードを速く」していきます。
勘違いしている人が多いポイントですが、大きい声を出そうとして必要以上に息を多く流さないようにしましょう。
喉に負担がかかるだけで響きが良くなるわけではありません。
最初は、声量をあげることよりも「ぴんと張った音色」になるように心がけると良いでしょう。
体の使い方は「胸筋と背筋と腹筋の力をだんだん強く」
音が高くなるにつれて、胸筋と背筋、そして腹筋を下へ向かって引っ張ります。
「どこまで高い声を出せるか」は、これらの筋力次第です。
意識は上に向かって、胴の力は下へ向かって、この矢印が重要になってきます。
ボイストレーニングまとめ
喉に負担をかけずに高い音を響かせるためには技術が必要になります。
音が高くなるにしたがって、下記のことを意識してみましょう。
■息をあてる場所をだんだん上にずらしていく
■口と喉の奥をだんだんあけていく
■息のスピードを速く、量は少なくしていく
■胸筋と背筋と腹筋を張る力を強めていく
喉に負担をかけない方法をマスターして、高音を伸びやかに出せるように頑張りましょう!
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