歌が上手くなるボイトレ練習方法④歌の呼吸法を解説
歌の途中で声がぶれてしまうことはありませんか?
歌の上手な人は発声が安定しています。
どうすれば安定した発声で滑らかに歌えるのでしょうか?
安定した発声でフレーズを滑らかに歌う鍵は、「呼吸」です。
カラオケでも正しい呼吸法で安定して歌えるだけでずいぶんと上手に聴こえるようになるはずですよ。
今回は、安定した発声で美しく歌うための「呼吸法」を解説します。
ボイストレーニング呼吸の基本
歌の呼吸の基本は「息を流し続けること」です。
「声を出していたら息は出ているんじゃないの?」と思う方もいますよね。試しに一度だけ、わざと息を止めたまま歌うかしゃべるかしてみてください。
息を止めたままでもできたのではないでしょうか。
それは「喉声」と言われるものです。
多くの人は息が流れていない歌い方をしてしまう傾向があります。息を流し続けながら歌うことは、そのための呼吸法を覚えて始めてできることなのです。
まずは、呼吸だけから
よく「おなかに息を入れて」「おなかから声を出して」と言いますよね。
歌うときは横隔膜が押し下げられるぐらいまで息を吸うことが必要になります。そのときに腹筋を使うのです。
また、歌うときには、吸った息を一気に吐くのではなく少しずつ吐きますね。次の息継ぎまでのワンフレーズ分、息を吐き続ける必要があるのです。
この「息を少しずつ吐く」ためにも、腹筋を使います。
「腹式呼吸」を実際に行ってみる
実際に腹筋を使って呼吸する方法を解説します。
とりあえずやってみた方が分かりやすいと思いますので、いきなり練習からしてみましょう。
[練習1]
仰向けに寝そべって、息を大きく吸ったり吐いたりしてみてください。
このとき、吸えるだけ吸ってから吐くことを意識しましょう。
おなかが動いているのがわかりますか?
赤ちゃんの泣き声が大きいのは、腹式呼吸をしているからです。寝そべった状態では、呼吸は必然的に腹式呼吸になります。
[練習2]
四つん這いになって、腕に体重をかけてください。
そのまま、やや速めのテンポで吸ったり吐いたりしてみましょう。
1秒間で「吸って吐いて」を1回行うぐらいのペースです。
おなかが動かない方は、もっと前のめりになって体重を前側にかけてみましょう。
または、呼吸のペースを速くしてみたり遅くしてみたり、息の量を多くしてみてください。
寝そべった状態と同じく、四つん這いの状態でも呼吸は必然的に腹式呼吸になります。
慣れたら、息を大きく吸ったときに肺の底の方に空気が入って横隔膜が押し下げられることを感じてください。
[練習3]
練習1,2のときを思い出しながら、座った状態か立った状態で腹式呼吸を行ってみましょう。
・おなかが動くこと
・肺の底の方に空気が入ること
・横隔膜が押し下げられること
上記の3点をを確認できればOKです。
うまくできない場合は練習1または2に戻っておなかの動きを意識して、その感覚を思い出しながら行ってみてください。
息をゆっくり流す方法
腹式呼吸の方法をマスターしたところで、実際に歌でどのように使うかについて解説します。
息を吸うときに胸郭を少しだけ広げるイメージをしましょう。息を吐くときに胸郭をさらに横に広げていくので、その準備をする程度で大丈夫です。
息を吐くときは、背筋を使っておしりを徐々に締めながら胸郭を広げていきます。
背中側では、肩甲骨を横に広げていってください。横隔膜が横にひっぱられていきます。
[練習4]
足を肩幅ぐらいに開いて立ったまま、前述の方法で息を大きく吸って、少しずつ吐いていってください。
上の歯と下の歯をくっつけて、歯と歯の間から息を少しずつ出してみましょう。「スー――」という音が一定になるように意識してください。
なるべく長く続けられるように練習していきましょう。
息を流しながら声を出すための練習
解説した呼吸法を、今度は声を出して歌うことに適用してみます。
同じ音程で
まずは同じ音程で呼吸を意識できるようになりましょう。
[練習5]
出しやすい音程で良いので、同じ音程でずっと「アーーー」と声を出してみてください。
呼吸は[練習4]のときと同様に行います。
口をあけて声を出すこと以外は同じで大丈夫です。
[練習4]と[練習5]を交互に行うと呼吸を確認しながら声を出すことができるのでおすすめです。
音程を変える
[練習5]では同じ音程での呼吸法を練習しましたが、それをマスターしたら音程を変えてもできるように練習しましょう。
音の高さによって息の出し方は変わります。
「高い音域ほど息の量は少なく、スピードは速く」「低い音域ほど息の量は多く、スピードは遅く」なります。
[練習6]
話し声に近い音域から「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」と、音程を上げながら声を出してみましょう。下の「ド」が低すぎる人は、「レ ミ ♯ファ ソ ラ シ ♯ド レ」でも大丈夫です。
息を止めずに、息の量をだんだん減らしてスピードを速くしていきます。
[練習7]
話し声に近い音域のオクターブ上の音域から「ド シ ラ ソ ファ ミ レ ド」と、音程を下げながら声を出してみましょう。こちらも下の「ド」が低すぎる人は「レ ♯ド シ ラ ソ ♯ファ ミ レ」で大丈夫です。
息を止めずに、息の量をだんだん増やしてスピードを遅くしていきます。
ボイストレーニングまとめ
歌が上手な人は呼吸を正しく行っています。
正しい呼吸法をマスターすることが重要です。
これらは、誰でもいきなりできるものではありません。まずは呼吸のみで練習して、少しできるようになってきたら声を出して練習してみましょう。
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